エステサロン広告の規制3つのポイント

エステサロンを直接規制する法律はありません。しかし、エステサロン広告において、関係する法律は多岐にわたります。なかでも、下記の3つの法規制はエステサロンの広告表現において重要です。

ポイント1:エステサロン広告における景品表示法規制

景品表示法は、エステサロンの広告において、まずおさえておきたい法規制です。

景品表示法では、事実であれば、違反ではないのが景品表示法。ただし、”事実”として、その内容を客観的に、合理的根拠をもって実証できることが必須です。景品表示法においては、この”合理的根拠”というのがポイント。

では具体的に、景品表示法における違反、”優良誤認”と”有利誤認”をみてみましょう。

例えば、”体験談”として、”1ヶ月でー10kg痩せた”というお客様を掲載したとします。本当は、施術だけでなく、日々の運動や食事管理、サプリメントの服用な複数の取り組みの結果だとしても、その事実を表示せず、都合の良い部分だけを体験談として掲載。すると、その施術を受けさえすれば、1ヶ月で10㎏痩せられるかのような誤認を消費者に与えてしまいます。これは、実際より著しく優良にみせている優良誤認とされ、景表法違反になります。

また、その効果(結果)を得た人が、全体に占める割合からみるとごく少数である場合、その効果(結果)の表示は、客観的に実証されていないため、この点においても優良誤認となります。

ちなみに、体験談に限らず、広告表現すべてにおいて、”エステサロンの施術だけで痩せる”というふうに見える表現にはご注意を。サプリメント広告同様に、適度な運動と食事管理が必要であることを、はっきりと認識できるように表記することが重要です。

上記のような事案は、”優良誤認”が起こらないために規制されています。
もし、「広告の通りの効果が得られないなら、購入しなかったのに」といった消費者の不利益を防ぎます。

景品表示法において、もう一点、気を付けたいのは、”有利誤認”です。

よくある、二重価格は注意ポイント

”通常価格19,800円を今だけ50%オフの9,900円!”は、その表示をする前までの一定期間における販売実績がないと表示できないのが原則です。
また、”今だけ!期間限定”のキャンペーンを何度も延長したり、期間を書き換えて続けていると違反となります。

ポイント1

エステ効果の表現は、情報の明記と客観性が重要。

ポイント2:エステサロン広告における薬機法規制

エステサロンは、直接には薬機法の規制対象ではありません。しかし、エステサロンで使用する美容機器で、「細胞を活性化する」「むくみを解消する」「シミが消える」などの医療機器のような表現をしてしまうと薬機法違反となります。

また施術による効果は、景品表示法において実証できることが求められます。施術に化粧品を使う場合、化粧品の効果の範囲内にとどめることもポイントです。

また、エステサロンで化粧品や美容機器、サプリメントなどを販売する場合、薬機法での広告規制に注意が必要です。詳しくは、化粧品、サプリメントのページをご参照ください。

ポイント2

医療機器でないと表現できない効果を表示しない、施術の効果は、化粧品の効能範囲内。

ポイント3:エステサロン広告におけるあはき法規制

「マッサージ」を提供できるのは、実は、あん摩マッサージ指圧師という国家資格者だけなのです。

国家資格を持たないエステティシャンは、”マッサージ”をすることができないのが、法律における現実です。
あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(あはき法)により、あはき師は、広告表現を厳しく制限されています。

近頃のエステサロンやリラクゼーションサロンでは、”マッサージ”という言葉を見かけなくなり、”トリートメント”と表現されていることが多いですが、もしメニューや説明に”マッサージ”と書いていたら、変更してくださいね。

ポイント3

エステサロンにおいて、”フェイシャルマッサージ”や”ボディマッサージ”などという表示は、NG。

エステサロンに限らず、リラクゼーションサロンや整体院なども、これらの広告規制ポイントは共通です。

ちなみに、あはき法における広告規制のガイドライン制定に向けた検討会が2018年から開催されています。ガイドラインができると、整体院やカイロプラクティックなどの広告のあり方にも大きく影響がでる見込みです。